大きく刷新された PDF 版を閲覧ください.本テキストは過去の名残です. http://cycloawaodorin.sakura.ne.jp/sonota/mgmg/ac_on_composition.pdf ・はじめに 本文書では,巡り廻るの装備品合成に関する詳細な解説を行う. 内部で使われる式など盛大なネタバレを含むので注意されたい. 本文書の目的は,合成について「詳細に」解説し, 合成レシピの考え方について深く理解する助けとなることであり, 小難しい話が好きな向きを対象としている. そのような向きにはwikiの文書[1]では不十分であるが, 本文書はwikiに載せるには詳細すぎると考えられる. ・準備 本文書では,合成レシピに関する記法はwikiの合成ギャラリー[2]に準じる. ただし,合成順序の括弧の省略は行わない. 主材料を光鉄鉱,副材料を軽皮で作った剣は  剣(鉄10皮1) と表記し,これを副材料,斧(牙10金10)を主材料として合成した後, それを主材料,剣(鉄10皮1)を副材料として合成したものを,  [斧(牙10金10)+剣(鉄10皮1)]+剣(鉄10皮1) と書く. 鍛冶,または防具製作における主材料の種別を主材質,副材料の種別を副材質とよぶ. 剣(鉄10皮1)の主材質は金属であり,副材質は皮である. ただし,材料が金,光金,白光金,火玉石,地玉石,水玉石,火結晶,地結晶,水結晶 のいずれかである場合には,対応する材質は「貴金属」である. 材質には「主材料補正」と「副材料補正」とよばれる隠しパラメータが存在する. 具体的な値は計算機[3]の「data」シートにて確認することができる. これらの値は鍛冶,防具製作においてそれぞれ主材料と副材料として用いたときに参照される値で, 大きいほど鍛冶,防具製作において大きな能力値を得られるものであるが, 合成においても参照される重要なステータスである. ただし合成において貴金属は金の値を参照する. (鍛冶,防具製作で用いられる値と,武器合成,防具合成で用いられる値が異なる) 上述の「主材料補正」「副材料補正」に加えて,装備の種類によって決定される 「装備補正」と,ゲーム中に参照可能な「☆」が合成における重要なパラメータとなる. 装備補正の値は計算機[3]の「data」シートにて「武器補正」「防具補正」として参照できる. ・鍛冶 鍛冶および防具製作の性質は,合成を語る上で切っても切れない存在である. 何故ならば合成の材料はもともと鍛冶または防具製作によって作る場合がほとんどであり, その結果は合成結果に強く影響するからである. 鍛冶および防具製作についてはwikiの文書[4]に記述があるが, 計算機[3]における計算式といくつか差異があることがわかっている. そのため,まずは鍛冶・防具製作の計算式を概説しよう. まず計算式であるが,以下のようになる.  [ [ 装備補正 * 主係数 / 20 ] * ( 副定数 + 製作Lv ) / 100 / 同材質ペナルティ ]  [・] : 括弧の中の値を0への丸めによって整数に丸める.  主係数 = [ 主材料補正 * 主☆補正 + 攻撃ボーナス ]  ☆補正 = ( ☆=1 ? 1 : ( 1 + ☆×☆/9 ) )  攻撃ボーナス = ( 攻撃力 & 主材質≠貴金属 ? 5 : 0 )  副定数 = 100 + ( HP ? [ 副材料補正×副☆補正 ] : (副材料補正+副☆-1)*5 )  同材質ペナルティ = ( 主材質=副材質 ? 2 : 1 ) ここで,補正等の値はwikiの文書[4]のものではなく, 計算機[3]の「data」シートのものであることに注意する. また,貴金属の場合,主材料補正,副材料補正が,素材によって異なる値となる代わりに, 上記☆補正及び副補正において,☆1として計算される. 下記のエレメント値および重量においても同様である. エレメント値は  ( 副材料補正=0 ? 0 : [ 主材料補正 * ( 副材料補正 + 副☆ - 1 ) / 20 ] ) によって計算されるが,補正のつく材質は宝石,魔水,石,貴金属のみであり, 取りうる値も1~3に限定されるため,組み合わせを網羅できる. 網羅表はwikiの文書[6]を参照されたい. 重量は以下の式で計算される.  max( [ ( 装備補正*5 + 副定数 - [製作Lv/2] ) * 主係数 / 10,000 ], 1 )  副定数 = ( 副材料補正 + 副☆ - 1 ) * 5  主係数 = 主材料補正 * 10 + ( 主☆ - 1 ) * 3 式はやや複雑であるが,性能値への影響の大きさがおおよそ  装備種類>主☆>主材質>副材質≒副☆>鍛冶・防具製作Lv となっている(HP,エレメント値以外)ことが理解できれば十分である. HPは他のパラメータと異なり,副☆の影響が大きいことには留意するべきである. 重量への影響はおおよそ  装備種類>主材質>副☆≧副材質>主☆>鍛冶・防具製作Lv となっている.装備種類と主材質の影響はともに大きいが, 性能では主☆が,重量では副☆が大きく影響していることが注目される. 細かく見ると,性能の上で副☆を1上げることと製作Lvを5上げることが同等であること, 重量の上で副☆を1下げることと製作Lvを10上げることが同等であることなどがわかる. 特に副材料が重量に与える影響は,☆と副材料補正の関係から,  金x=鉄1=木3=宝4=皮骨牙5=綿水6,玉5=木2=…,石1=玉10=鉄3=… であることがわかる.金系は☆によらないため,金3はやや重いが,金10はとても軽いことのイメージがよく分かる. また,例えば綿水1を皮1に換えるのに製作Lv10の差が生じるが,これが常であることを確認できる. 逆に,主材料補正や主☆と,製作Lvは掛け算の関係にあるため,主材料と製作Lvの関係は一定でないことがわかる. 主材料補正と主☆の関係もやや入り組んでいるが,ざっくりと以下のようにまとめられる.  金6=金10>石10>鉄10>鉄8>金3=玉10>鉄7>鉄1>皮宝10>木10>骨牙10>皮宝1=玉5>水10>木1>綿10>骨牙3   220 > 217> 207>201> 200 >198>180> 167 > 157> 147 > 140 > 137>130> 127> 126 数字は 主材料補正×10+(☆-1)×3 の値である.上記にない素材は,☆1で3ずれることから計算してほしい. 玉5以外の貴金属,石,鉄が重く,皮,木もなかなかで,玉5は結構軽く,水,綿はとても軽いというイメージがわかるかと思う. 製作Lvに関しては,直接の影響は小さいものの, 重量の観点から実行可能な選択肢を変化させる重要な要素であり, 製作Lvごとの多様なレシピを生むもととなっている. 鍛冶・防具製作における完成品の☆は,材料の☆の平均を切り捨てたものとなる. この☆の値は合成において極めて重要な値となる. 基本的に,鍛冶・防具製作においては材料の☆が大きいほど強力な装備となるため, ☆の合計が奇数になる.つまり奇数と偶数の組合せで鍛冶・防具製作を行うことが多い. しかし,次のような理由でそうではないケースが存在する. - ☆10同士の組み合わせ(例:斧(牙10金10)).  ☆最大の組合せは偶数同士の組み合わせとなってしまう. - できるだけ弱い装備を作りたい(例:杖(綿1綿1)).  後述する反転合成においてはできるだけ「弱い」装備を使ったほうがよい部分がある. - ☆を変えても性能が変わらない(例:斧(金3皮1)=斧(金3皮2)).  合成では主材料を金とした装備を多用するが,金の主材料補正は小さい(かつ貴金属は特殊な)ため,  副材料の☆を1としても2としても性能が変わらないことが多い.  このようなとき,慣用的に☆1を使った方を正規のレシピとすることが多い. - 重量的な理由(例:鍛冶Lv122での弓(地玉10綿4)).  重量の観点から合計が偶数となる組合せが最適になる場合がある. また,☆Xの素材を材料として使うためには, 鍛冶・防具製作Lvは(3X-3)必要である. ・合成の基礎の基礎 いよいよ合成の話に移る.まずは単純な法則の話から入る. 装備品合成では,以下のような性質がある. - ☆Xの装備を材料として使うためには道具製作Lv(3X-3)が必要である.  一段合成ならLv27,二段,三段合成ならLv42以上が必要である場合が多い.  多段合成ではこの制約以前に高いレベルが必要である. - 武器と防具の組合せでの合成はできない.  「武器合成」と「防具合成」は,法則は共通であるものの,別の扱いであり,  武器に防具を,あるいは防具に武器を合成することはできない. - 合成品の装備の種類(剣とか服とか)は主材料と等しくなる. - 合成品の重量は,材料となる装備の重量の和となる.  重量の下限は1であるため,必然的に重量一定以下での合成の回数は(完成品重量-1)以下に制約される.  なお,重量10以上の品を装備できるキャラクターは存在しないが,合成自体は可能である. - 合成品の☆は材料となる装備の☆の和であり,これが20を超える合成はできない.  この制約のもとで,材料となる装備の,ひいては材料の素材の☆の配分を決定することになる. - 完成品の主材質は主材料の副材質,副材質は副材料の主材質となる.  合成における材質変化の重要な法則で,合成品を材料として合成したときも同じ法則が適用される.  例えば,   [重鎧(皮10金3)+軽鎧(鉄10皮1)]+[軽鎧(皮8宝1)+重鎧(鉄10皮1)]    →[重鎧(皮,貴金属)+軽鎧(金属,皮)]+[軽鎧(皮,宝石)+重鎧(金属,皮)]    →重鎧(貴金属,金属)+軽鎧(宝石,金属)    →重鎧(金属,宝石)  となる.  主材料の主材質は合成時の性能計算に参照されるが,副材料の副材質は合成では無視される.  また,主材料の副材質は性能計算では参照されないため,  最後の合成では合成には影響しないパラメータとなる. ・合成の性能計算式 各パラメータの性能は次の式で計算される.  [ 主材料の性能 + [ 副材料の性能 * 係数その1 ] * 係数その2 ]  係数その1 = [ ( 主材料の装備補正 * 5 + 道具製作Lv ) / 2 ] / 100  係数その2 = ( 20 + 装備補正差 + ☆差 + 主材質の副材料補正差 - 同材質ペナルティ ) / 20 / 同種類ペナルティ ここで,「○○差」というのは「主材料の○○-副材料の○○」のことである. 「同材質ペナルティ」は,主材料の主材質と副材料の主材質が同じ場合に6,違う場合に0である. 「同種類ペナルティ」は,主材料の装備種別と副材料の装備種別が同じ場合に2,違う場合に1である. [・]はガウス記号「ではなく」,0への丸めによって整数に丸めている. ただし,主材料の装備補正が0であるようなパラメータは主材料の性能そのものとなる. 概要を簡単にまとめると次のようになる.  主材料 + [ 副材料 * ( 主種類関係 + 製作Lv関係 ) ]   * ( 1 + 主副差関係 - 同材質ペナルティ ) / 同種類ペナルティ 「係数その2」に1のオフセットが乗っている(もろもろの補正がなければ等倍)こと, 同材質ペナルティと同種類ペナルティがかなり異なることなどに注目したい. 同じ材質関係で,式上の同列性から,同材質ペナルティは, (主副材料の)主材質の副材料補正差が -6 であることが同値であることがわかる. また,エレメント値は次のように計算される.  [ 主材料 + 副材料 * min(75, 道具製作Lv) / 100 / 同種類ペナルティ ] 副材料のエレメント値は最大でも0.75倍されてしまうため, 多段合成の要領でエレメント値を増幅させることが不可能であることが分かる. ・一段合成 本節からは具体例を通じて合成レシピの考え方や特徴について触れてゆく. 最初に扱うのは合成を一回だけ行うレシピの「一段合成」である. この一段合成は,合成の特性を見る上でも重要なもので, 製作レベルの変化によっても多様な顔を見ることができる. ここでは重量的なしがらみの少ないローブ+腕輪の魔防最大化を考える. 簡単のために物防と魔力については無視してゆく. まず,防具製作Lv30,道具製作Lv30のときのいくつかのレシピの特性を以下の表にまとめる レシピ 主材料 副材料 係数その1 係数その2 最終性能 ローブ(綿10皮10)+腕輪(綿10皮10) :[ 255 +[ 169 * 0.6 ] * 1.00 ] = 356 ローブ(綿10皮10)+腕輪(綿10皮9) :[ 255 +[ 165 * 0.6 ] * 1.05 ] = 358 * ローブ(綿10皮10)+腕輪(綿10皮8) :[ 255 +[ 161 * 0.6 ] * 1.05 ] = 355 ローブ(綿10皮10)+腕輪(綿10皮7) :[ 255 +[ 158 * 0.6 ] * 1.10 ] = 358 * ローブ(綿10皮10)+腕輪(綿10皮6) :[ 255 +[ 154 * 0.6 ] * 1.10 ] = 356 ローブ(綿10皮10)+腕輪(綿10皮5) :[ 255 +[ 150 * 0.6 ] * 1.15 ] = 358 * ローブ(綿10皮10)+腕輪(綿10皮4) :[ 255 +[ 146 * 0.6 ] * 1.15 ] = 355 ローブ(綿10皮10)+腕輪(綿10皮3) :[ 255 +[ 142 * 0.6 ] * 1.20 ] = 357 ローブ(綿10皮10)+腕輪(綿10皮2) :[ 255 +[ 138 * 0.6 ] * 1.20 ] = 353 ローブ(綿10皮10)+腕輪(綿10皮1) :[ 255 +[ 134 * 0.6 ] * 1.25 ] = 355 ローブ(皮10骨10)+腕輪(綿10皮9) :[ 161 +[ 165 * 0.6 ] * 1.65 ] = 324 ローブ(皮10骨10)+腕輪(綿10皮1) :[ 161 +[ 134 * 0.6 ] * 1.85 ] = 309 アスタリスクをつけた3つのレシピが最大値358をマークしている. 防具製作時に「切り捨て」が発生するレシピの性能が高く, また副材料(腕輪)の性能変化の方が☆差の変化に伴う係数その2の変化より影響が大きく, 全体的に副材料の☆が大きいほうが性能が高くなっていることが分かる. また,係数その2における同材質ペナルティの影響より主材料の性能の影響が大きく, 皮+綿花とするよりも綿花+綿花としたほうが性能が高くなっていることが分かる. 係数その2は「副材料の性能×係数その1」のように相乗的に働くことから, 製作レベルが上がり,副材料の性能および係数その1が大きくなれば,係数その2の影響は強くなる. 実際,防具製作Lv112,道具製作Lv112では, レシピ 主材料 副材料 係数その1 係数その2 最終性能 ローブ(綿10皮10)+腕輪(綿10皮3) :[ 353 +[ 206 * 1.01 ] * 1.20 ] = 602 ローブ(綿10皮10)+腕輪(綿10皮1) :[ 353 +[ 199 * 1.01 ] * 1.25 ] = 603 ローブ(皮10骨10)+腕輪(綿10皮9) :[ 222 +[ 230 * 1.01 ] * 1.65 ] = 604 * ローブ(皮10骨10)+腕輪(綿10皮7) :[ 222 +[ 222 * 1.01 ] * 1.70 ] = 602 のようになる.綿+綿では副材料の☆が小さいほうが強く,皮+綿では☆が大きいほうが強い. そして,綿+綿の最適レシピより皮+綿の最適レシピのほうが強くなっている. 現実的ではないが,さらに極限の防具製作Lv1742,道具製作Lv1742という状況を考えると, レシピ 主材料 副材料 係数その1 係数その2 最終性能 ローブ(皮10金10)+腕輪(綿10皮1) :[1456 +[1486 * 9.16 ] * 1.85 ]= 26636 ローブ(金10皮10)+腕輪(綿10皮1) :[ 96 +[1486 * 9.16 ] * 1.95 ]= 26637 * となり,主材料の圧倒的な性能差を覆して金+綿の性能が上回るようになる. 一段合成ローブだけを見ても,最適なレシピが製作Lvによって流動的に変化する様子がよくわかったと思う. 本節の最後に,装備補正差も重要であるということを示しておこう. 鍛冶Lv168,道具製作Lv168での4つの双短剣の攻撃力を見る. レシピ 主材料 副材料 係数その1 係数その2 最終性能 双短剣(牙10金10)+斧(鉄10皮1) :[ 331 +[ 533 * 1.29 ] * 0.85 ]= 914 双短剣(牙10金10)+剣(鉄10皮1) :[ 331 +[ 411 * 1.29 ] * 1.15 ]= 940 * 双短剣(牙10金10)+双短剣(鉄10皮1):[ 331 +[ 369 * 1.29 ] * 0.625]= 628 双短剣(牙10金10)+弓(鉄10皮1) :[ 331 +[ 327 * 1.29 ] * 1.35 ]= 899 副材料の性能は斧のほうが剣より高いが, 装備補正差が大きくマイナスになり,係数その2が非常に小さくなってしまっている様子が観察される. そのため,最終的には剣を合成したほうが強くなる. また,同種類ペナルティを受ける双短剣との合成は極めて弱くなり, 係数その2は大きくなるが,副材料の性能自体が下がりすぎる弓では最終性能は悪くなる. ・二段合成 合成品を材料として使うことになる二段合成は,材質の変化の影響を受けることになる. 例えば,次のような合成例を考える.  [装備X(A,B)+装備Y(C,D)]+装備Y(E,F)   →装備X(B,C)+装備Y(E,F) この場合,装備の種類としてはともにX+Yの合成である一方, 材質としては一段目はA+Cの合成で,二段目はB+Eの合成となる. 一段合成では深く気にすることがなかったBという材質が表に現れるのが特徴である. さて,もう少し具体的に次の合成レシピの攻撃力を詳しく見ていこう.  [斧(牙10皮10)+短剣(鉄10皮1)]+短剣(鉄10皮1) 鍛冶Lv42,道具製作Lv42では,次のようになる. レシピ 主材料 副材料 係数その1 係数その2 最終性能 斧(牙10皮10)+短剣(鉄10皮1) :[ 284 +[ 177 * 0.86 ] * 1.80 ] = 557 斧☆15(皮鉄)+短剣(鉄10皮1) :[ 557 +[ 177 * 0.86 ] * 2.25 ] = 899 係数その2が,一段目では1.8なのに対して,二段目では2.25に大きく増加している. これは☆差が5から10に増幅した上,副材料補正差が0から4に増幅しているためである. この☆差と副材料補正差が大きく増加することから,二段目の合成効果が大きいことが二段合成の特徴である. 最初の例のBに相当する材質はここでは皮であるが,この副材料補正が高いことは, 最初の材料である斧(牙10皮10)の性能(284)を大きくする効果に加えて, 二段目の合成における係数その2の副材料補正差を大きくする効果がある. すなわち,2回にわたって大きな効果を発揮させることができるのである. このため,特に深く考えないレシピでも二段合成は良い結果を生むことが多い. 穿った見方をすれば,合成の計算式は,二段合成が良い結果を生むように設計されているとすら考えられる. このレシピの改良である  [斧(牙10金10)+短剣(鉄10皮1)]+短剣(鉄10皮1) というレシピでは,皮より副材料補正の高い貴金属により二段目の合成効果をさらに強める上, 白光金を副材料とする斧(牙10金10)単品の性能も高くなり,非常に強力である. 「二段合成こそが白光金の最も輝く場」と言われる所以である. 杖の最強レシピは,製作Lvが相当大きくなるまで,同材質ペナルティを含む  [杖(骨10金10)+本(骨10鉄1)]+本(骨10鉄1) であるが,これも二段目では貴金属+骨の強力な合成効果を発揮しており, もともと効果の低い一段目での同材質ペナルティの影響は小さいのである. ・三段合成 三段合成では材料の変遷がさらに進む.  [[装備X(A,B)+装備Y(C,D)]+装備Y(E,F)]+装備Y(G,H)   →[装備X(B,C)+装備Y(E,F)]+装備Y(G,H)   →装備X(C,F)+装備Y(G,H) 材質Cが,一段目では副材料の主材質として,三段目では主材料の主材質として登場するのが特徴である. 一般的には,A,E,Gに主材料補正の最も高い材質を, Cに主材料補正が2番目に高い材質を指定するとうまくいくことが多い. 具体例として,鍛冶Lv68,道具製作Lv68での次の双短剣の攻撃力を見る.  [[双短剣(鉄10皮1)+弓(牙10皮1)]+剣(鉄10皮1)]+剣(鉄10皮1) レシピ 主材料 副材料 係数その1 係数その2 最終性能 双短剣(鉄10皮1)+弓(牙10皮1) :[ 245 +[ 158 * 0.79 ] * 1.10 ] = 381 双短剣☆10(皮牙)+剣(鉄10皮1) :[ 381 +[ 273 * 0.79 ] * 1.35 ] = 671 双短剣☆15(牙鉄)+剣(鉄10皮1) :[ 671 +[ 273 * 0.79 ] * 1.40 ] = 972 このレシピでは,攻撃力だけを見れば弓よりも剣を使ったほうが良いが, 剣では強化できない器用さと素早さを強化できる特徴がある. 爪牙は器用さと素早さの主材料補正が高く,同材質補正回避だけでない効果もあり効率が良い. また,攻撃力の観点からも,一段目は☆差がなく,装備補正差で係数その2を補う効果があり, 剣の代わりに弓を使用しても攻撃力の低下はわずかである. 一段合成,二段合成,三段合成を総称して通常合成とよぶ. ・多段合成 これまでは合成品をすべて主材料に使ってきた. 元となる装備に,別の装備の能力を次々と付加していくイメージである. この方法では,合成品の☆が大きくなるにつれ,係数その2における☆差が増大していくため, 自然と効率のよい合成が可能になる. しかし,材料となる全ての装備に高い性能が要求されるため, 5つ以上の装備を合成することはほとんど不可能である. 「四段合成」といった用語が使われていないのはそのためである. ところで,主材料の性能は必ず1倍で継承される一方で, 副材料の性能は2つの係数によって増減されて継承される. (丸めを無視して考えると)2つの係数の積が1より大きければ, 合成品を副材料に使用することにより,段数を増す毎に強化を繰り返せると考えられないか. この考えは正しく,これを実現したものが多段合成とよばれる合成手法である. 具体例として,ここでは次の重量5の杖のレシピを見ていこう.  杖(宝10金10)+[本(金3綿1)+[杖(金3綿1)+[本(鉄2綿1)+杖(骨10鉄1)]]] このなかで最も重いものは本(金3綿1)で,鍛冶Lv72で重量1になる. そこで,鍛冶Lv72,道具製作Lv72でこの杖を作ると魔力がどうなっていくかを見る. レシピ 主材料 副材料 係数その1 係数その2 最終性能 本(鉄2綿1)+杖(骨10鉄1) :[ 0 +[ 268 * 0.76 ] * 0.80 ] = 162 杖(金3綿1)+本☆6(綿骨) :[ 3 +[ 162 * 0.86 ] * 1.40 ] = 197 本(金3綿1)+杖☆8(綿綿) :[ 1 +[ 197 * 0.76 ] * 0.90 ] = 135 杖(宝10金10)+本☆10(綿綿) :[ 195 +[ 135 * 0.86 ] * 1.35 ] = 351 特に本+杖の合成において,係数その2が1を下回り,合成するたびに弱くなっていることが分かる. この状況は,道具製作Lvの向上を通して係数その1を十分大きくとれば解決する. 以下に,鍛冶Lv72,道具製作Lv202で作った場合を示す. レシピ 主材料 副材料 係数その1 係数その2 最終性能 本(鉄2綿1)+杖(骨10鉄1) :[ 0 +[ 268 * 1.41 ] * 0.80 ] = 301 杖(金3綿1)+本☆6(綿骨) :[ 3 +[ 301 * 1.51 ] * 1.40 ] = 638 本(金3綿1)+杖☆8(綿綿) :[ 1 +[ 638 * 1.41 ] * 0.90 ] = 810 杖(宝10金10)+本☆10(綿綿) :[ 195 +[ 810 * 1.51 ] * 1.35 ] = 1346 変わっているのは係数その1だけであるが,大幅に性能が向上していることが見て取れる. 材料自身の性能はタネ(ここでは杖(骨10鉄1))だけが突出して重要で, レシピは主に係数その2をデザインするものであることがわかると思う. (全体の性能は268*1.41*0.8*1.51*1.4*1.41*0.9*1.51*1.35≒1653で概算できる. ただし,丸めを無視した分過大評価されている点に注意が必要である) 多段合成のレシピは,タネ,中間層,ベースの三種の材料から構成される. - タネ(上のレシピでは杖(骨10鉄1))  多段合成で増幅していく能力の核となる材料である.  伸ばしたい能力値が高くなるような材質を選択する.  ☆は(10,1)の5を基本とするが,全体のバランスによって順次減らしていく((8,1)の4など). - 中間層(上のレシピでは本(鉄2綿1),杖(金3綿1),本(金3綿1))  多段合成の主材料側の材料である.  材料自身の能力は重視されず,係数その2を大きくするため,  主材質に副材料補正の大きいものを,副材質に副材料補正の小さいものを選ぶ.  主材質としては,伸ばしたい能力にかかわらず貴金属が最大であるが,  貴金属が取れる☆の値が(3,5,6,10)の4種に制限されるため,貴金属以外の材質を選ぶこともある.  貴金属以外の場合は,自身の性能を高めるために,副材料補正が最大のもののうち,  主材料補正が最大のもの(攻撃では皮ではなく木)を選ぶと良い.  副材質としては,副材料補正が最小のもののどれを選んでも良いが,重量や,  サブで伸ばしたい能力で調整(物防を伸ばすとき,魔防の補正の小さい宝石を選ぶなど)することがある.  ☆はできるだけ小さくするが,全体のバランスによっては後から合成するものの☆を大きくするとよい. - ベース(上のレシピでは杖(宝10金10))  多段合成で最後に合成する材料である.  装備の種類は作りたい装備のものとする.  多段合成により☆の大きくなった合成品を副材料に迎えることになることから,  バランスをとるために☆を大きくすることが重要である.  主材質は,☆を大きくとれるため,自身の性能と,  合成効果を大きくするための副材料補正のバランスを考慮して決定する.  主材質を結晶として,対応するEL3をつけると,貴金属の高い副材料補正を利用できて効率が良い.  ただし,EL3の装備は重量1とするために大きな鍛冶・防具製作Lvが必要であることや,  道具製作Lvがそこまで大きくない場合,自身の性能を下げることによって,  伸ばしい能力値が最大のレシピにならない場合もあることに注意したい.  副材質は合成に関わらないため,自身の性能を上げる副材料補正の高い材質か,  EL値を上げることのできる材質を選ぶとよい. ・並列型多段合成 通常合成では合成品は常に主材料に,多段合成では常に副材料に使ってきた. それでは,合成品を主材料にも副材料にも用いる,効果的なレシピはないだろうか. 実は存在し,それがこの並列型多段合成である. 多段合成の,段数を上げるほどに強化される性質と, 通常合成の,合成品を主材料に用いることによる高い☆差を利用する性質を併せ持つ. 具体例として,ここでは防具製作Lv219,道具製作Lv219における 三段合成,多段合成,並列型多段合成の三種のローブの魔防を比較しよう.  [[ローブ(綿10皮1)+腕輪(皮10骨1)]+腕輪(綿10皮1)]+腕輪(綿10皮1)  ローブ(皮10金10)+[腕輪(金6鉄1)+[ローブ(金3鉄1)+腕輪(綿10皮1)]]  [ローブ(皮10金3)+腕輪(綿10皮1)]+[腕輪(皮8鉄1)+ローブ(綿10皮1)] 三段合成 主材料 副材料 係数その1 係数その2 最終性能 ローブ(綿10皮1)+腕輪(皮10骨1) :[ 427 +[ 179 * 1.54 ] * 1.00 ] = 702 ローブ☆10(皮皮)+腕輪(綿10皮1) :[ 702 +[ 283 * 1.54 ] * 1.85 ] = 1506 ローブ☆15(皮綿)+腕輪(綿10皮1) :[1506 +[ 283 * 1.54 ] * 2.10 ] = 2419 多段合成 主材料 副材料 係数その1 係数その2 最終性能 ローブ(金3鉄1)+腕輪(綿10皮1) :[ 3 +[ 283 * 1.54 ] * 1.55 ] = 677 腕輪(金6鉄1)+ローブ☆7(鉄綿) :[ 6 +[ 677 * 1.39 ] * 0.90 ] = 852 ローブ(皮10金10)+腕輪☆10(鉄綿) :[ 314 +[ 852 * 1.54 ] * 1.60 ] = 2413 並列型多段合成 主材料 副材料 係数その1 係数その2 最終性能 ローブ(皮10金3)+腕輪(綿10皮1) :[ 276 +[ 283 * 1.54 ] * 1.65 ] = 993 腕輪(皮8鉄1)+ローブ(綿10皮1) :[ 108 +[ 427 * 1.39 ] * 0.95 ] = 671 ローブ☆11(貴綿)+腕輪☆9(鉄綿) :[ 993 +[ 671 * 1.54 ] * 1.80 ] = 2852 並列型多段合成では,☆差を抑えることで係数その2の底上げが図られており, 特に最後の合成では貴金属との合成による高い係数と, 合成品を使うことによる高い主材料値を兼ね揃え,総合的に非常に優秀な結果を得ていることが分かる. 並列型多段合成には,ほかに同材質ペナルティの回避が主目的となる  [杖(骨10金6)+[本(金3綿1)+杖(骨10鉄1)]]+本(骨10鉄1) というレシピや,段数を大きくとった  [弓(地玉5金3)+[弩(皮2骨1)+[弓(皮2骨1)+[弩(皮2骨1)+弓(木10皮1)]]]]   +[弩(皮2骨1)+[弓(皮2骨1)+[弩(皮2骨1)+弓(木10皮1)]]] というレシピも存在する. いずれも「タネを2つ,ベースを1つとした二段合成の変形」と考えられる. 逆に二段合成を「中間層のない並列型多段合成」と捉えることもできる. 作りたい装備にもよるが,全体の傾向として,道具製作Lvが低いときは三段合成, 中くらいのときは並列型多段合成,高いときは(直列型)多段合成が強くなる. ・反転合成 まずは次のレシピの鍛冶Lv202,道具製作Lv202の魔力の表を見てみよう.  杖(金3骨1)+[弓(骨1綿1)+[杖(金3金3)+[弓(綿1綿1)+[杖(宝10金6)+本(骨10鉄1)]]]] レシピ 主材料 副材料 係数その1 係数その2 最終性能 杖(宝10金6)+本(骨10鉄1) :[ 271+[ 351 * 1.51 ] * 1.50 ] = 1066 弓(綿1綿1)+杖☆13(貴骨) :[ 0+[ 1066 * 1.06 ] *(-0.90)] =-1016 杖(金3金3)+弓☆14(綿貴) :[ 3+[-1016 * 1.51 ] * 1.75 ] =-2681 弓(骨1綿1)+杖☆17(貴綿) :[ 3+[-2681 * 1.06 ] *(-1.10)] = 3128 杖(金3骨1)+弓☆18(綿貴) :[ 6+[ 3128 * 1.51 ] * 1.50 ] = 7090 最大の特徴は,途中の合成品の魔力がマイナスになっていることである. 装備補正差,☆差,副材料補正差をすべて負の方向に傾けることによって, 係数その2を負で比較的絶対値の大きな値にしている. また,その直後の合成では,大きく負な☆差であるにも関わらず, 強烈な装備補正差に,副材料補正差を重ねて係数その2を大きな値にしている. このように,一度装備補正の低い弓を経由することで, 総合的に大幅に魔力を増幅させることに成功しているのが反転合成である. 道具製作Lv202付近では,魔力の他に攻撃,物防,魔防に関しても同様のレシピが発見されている. 最後の反転のところでストップし,増幅をスキップすることにより, 比較的装備補正の低い装備で,該当するパラメータを大きくとることもできる. 例えば,次のようなレシピである.  弓(牙2皮1)+[斧(金3金3)+[杖(綿1綿1)+[斧(牙10金10)+剣(鉄10皮1)]]] 攻撃力では,短剣,弩,弓(,本,杖)ではこのタイプが, 双短剣,剣,斧では最後に増幅するタイプが有力である. ・反転合成の詳説 反転合成のキモは,コントロールに限界のある主副差の最適化にある. 通常の多段合成では,最もコントロールしやすい副材料補正差は制御するものの, ☆差は,最も副材料の性能が大きくなる最後の合成の効果を高めるためにベースの☆を大きくする程度で, それ以外は段数が増えるほどマイナスが大きくなるだけで,制御の余地がほとんどない. また,装備補正差はほぼ制御対象でなく,主装備補正を大きくするために, 装備補正の大きい装備を使うだけである.例えば以下のように.  斧(水玉10宝9)+[剣(金3綿1)+[斧(金3綿1)+[剣(金3綿1)+斧(鉄10皮1)]]] しかし,斧+剣の合成では装備補正差が正に働く一方で, 剣+斧の合成では -6 というマイナスの装備補正差が重くのしかかる. 実際,道具製作Lv276以上では,中間層の斧を双短剣に置換した  斧(水玉10宝9)+[剣(金3綿1)+[双短剣(金3綿1)+[剣(金3綿1)+斧(鉄10皮1)]]] のほうが強くなることがわかっている. 双短剣+剣 の合成でもマイナスとなるが,その値は -2 で済むため, 双短剣の装備補正が低く,双短剣+剣 における主装備補正と装備補正差を大きく犠牲にしてでも, 次の段を 剣+双短剣 にして装備補正差を確保したほうが,総合的によくなるわけである. 装備補正差のみに着目した簡易モデルで考えると  (10+6) * (10-6) * (10+6) * (10-6) = 4,096 より  (10+6) * (10-2) * (10+2) * (10-6) = 6,144 のほうが良い,といったイメージとなる. 多段式の合成手法では,主材料となった装備が必ず次の段では副材料となることから, 装備補正差をプラスに動かした次の段は必ずマイナスとなるわけである. 魔防では,装備補正差を 0 にできる服と腕輪という組み合わせが存在し, この意味では剣と双短剣以上に相性の良い中間層ペアになる. (係数その1側の主装備補正も重要なため,重要なのは道具製作Lvが高いときである) ここで,(実際には重量5ではうまく反転斧は構成できないが)  斧+[杖+[斧+[杖+斧]]] という装備種のみの簡易レシピを考えると,装備補正差に基づく簡易モデルでは,  (10+18) * (10-18) * (10+18) * (10-18) = 50,176 となり,上記の多段合成に比べて桁違いに大きな値となることがわかる. このモデルでの「10」は何かと言えば,「係数その2」の20倍,  ( 20 + 装備補正差 + ☆差 + 副材料補正差 - 同材質ペナルティ ) のうちの装備補正差以外の値の和である. 20という固定値から,☆差や副材料補正差をコントロールして10に落としたイメージである. 多段合成では,副材料補正差でさらにプラスできるが,☆差のマイナスはどうしても残る. このように,コントロールに限界のある「固定値+☆差」に対して, 装備補正差を 0 に近づけて最適化する代わりに, 装備補正差を大きくつけて負の値を経由してしまえば, 絶対値を大きくできるというのが反転合成である. 実際のレシピでは,副材料補正差または同材質ペナルティのマイナスも付与する. 同材質ペナルティをわざと発生させる例として,  弓(木2皮1)+[斧(金3木1)+[杖(綿1綿1)+[斧(金3金3)+[杖(鉄2綿1)   +[斧(金3金3)+[杖(綿1綿1)+[斧(金3金3)+剣(鉄10皮1)]]]]]]] といったものがある.最後の 弓+斧 では,木+木の同材質ペナルティを利用している. 反転合成の限界としては,固定値を十分打ち消せないと有効でなく, 上記のモデルで (17-18) などという項を出してしまうととても弱くなってしまうということがある. 特に反転時では,装備補正差を確保するために主装備補正を犠牲にしているため, ☆差と副材料補正差をあわせて,十分マイナスにしないと逆効果である. また,反転合成が現実的に有効なパラメータ種別が, 装備補正差を -18 まで取れる攻撃力と魔力,-16 まで取れる物防と魔防に限られることが挙げられる. 次に装備補正差が大きいのは素早さの -8 だが,これでは小さすぎて反転合成は難しい. (とんでもなく道具製作Lvが高い状況では可能ではあるが……) ・エレメント合成 合成装備のエレメント値は他のパラメータと異なる,次の式で決定される.  [ 主材料 + 副材料 * min(75, 道具製作Lv) / 100 / 同種類ペナルティ ] 副材料からの継承率は最大75%で打ち切られ,同材質ペナルティを受けないことが特徴である. 必然的にエレメント値を主眼においた合成パターンは限られる.  ブローチ(火玉10石10)+サンダル(火玉10石9)  指輪(地玉10水10)+グローブ(地玉10水9)  首飾り(地玉10水10)+靴(地玉10水9)  耳飾り(水玉10宝10)+腕輪(水玉10宝9) 重量に基づくバリエーションを除けば,装飾品では基本的に上記のいずれかを使用することになるだろう. エレメント値はいずれも3を2にして継承することになることから, 必要な道具製作Lvは常に67となる.これは武器の場合なども同様である. 通常エレメント合成とはよばないが,多段合成や二段合成のベースをエレメント値3のつく材料で作ると, 貴金属との副材料補正差を利用した効果的な合成とともに, 合成の影響を受けないエレメント値3を確保することができる. ただし,必然的にベース自身の性能は劣化することになるため,いずれを優先するべきかは考える必要がある. 段数の大きい多段合成では,副材料補正差の影響が大きいために, エレメント値をつけるレシピが最善になる場合も多い. ・既成品合成 これまでは鍛冶または防具製作で作製した装備のみを,合成の材料として考えてきた. しかし,店,ドロップ,イベントなどで入手できる装備品も,合成の材料として使用すること自体は可能である. 本節では,これら既成品を材料として用いる合成レシピについて考察する. まず,合成の材料としての既成品の性質を考える. 既成品も自作品と同様に,装備の種類,主材質,副材質の三つの性質を持つ. 装備品の種類は基本的に見た目や名前通りである. 唯一見た目や名前からは判断しがたい「古びたペンダント」は耳飾りである. (古びたペンダントに他の装備品を合成すると魔力のみが増加する) 装備の種類は自作品と同じで,合成における装備補正も同じ値を使用する. 材質も基本的に自作品と同じであるが,見た目などからは判別が困難で, 自作品には現れない特殊な材質が二種類存在する. 特殊な材質の一つ目は「特殊金属」である. 特殊金属は金属と同じ副材料補正値を有するが, どんな材質との合成においても同材質ペナルティを受けないという特殊な性質を有する. 特殊金属と金属の合成はもちろん,特殊金属同士の合成でさえ,ペナルティを受けない. 主材質が特殊金属以外の場合は, 既成品同士の合成でも,既成品と自作品・合成品との合成でも, 主材質が同じならば同材質ペナルティを受ける. もう一つの特殊な材質は「ゼロ」である. この材質は全ての副材料補正が0であるような材質である. 特殊金属と異なり,ゼロ同士の合成では同材質ペナルティを受ける. それでは既成品の材質を紹介しよう. これらの材質は,実機上で合成を行い,得られたパラメータから副材料補正値を求め, 各材質の副材料補正値に照らし合わせて求めたものである. まず,店売り装備及び歴戦装備はすべて主材質は金属,副材質は特殊金属である. 正確にはすべてを試してはいないが,まず間違いはないと思われる. 次に☆10武器.これはドロップ品であるかイベント品であるかに関わらず, 装備の種類ごとに材質が決まっている.材質は次の通りである.  短剣(金属,爪牙)  双短剣(金属,爪牙)  剣(金属,骨)  斧(金属,石)  弓(木,骨)  弩(皮.金属)  杖(木,宝石)  本(ゼロ,骨) ユニーク防具は以下のようになっている.  陽炎の兜(綿花,石)  ボロボロな服(綿花,特殊金属)  異界の法衣(綿花,特殊金属)  竜盾デグノル(綿花,特殊金属)  天鬼の靴(綿花,特殊金属)  古びたペンダント(金属,宝石) なぜか綿花+特殊金属のものが多い. 劣悪装備は,次のようになっている.  短剣(金属,特殊金属)  双短剣(金属,特殊金属)  剣(金属,特殊金属)  斧(金属,特殊金属)  弓(木,特殊金属)  弩(木,特殊金属)  杖(骨,特殊金属)  本(ゼロ,特殊金属)  重鎧(金属,特殊金属)  軽鎧(皮,特殊金属)  服(綿花,特殊金属)  ローブ(綿花,特殊金属)  盾(金属,特殊金属)  小手(金属,特殊金属) 副材質は全て特殊金属で,主材質は装備にふさわしいものとなっている. ただし,本の主材料は☆10装備と同様にゼロである. なお,キャラクリエイトで手に入る劣悪な服と劣悪な小手は, 装備種別が服や小手とは違う(ソートすると重鎧や盾の上に行く)らしく, 合成においても異なる装備補正値が適用されているようである. 厳密には未調査だが,全ての装備補正値が0になっているようである. 下記の資源増加量は同じなので,材質は同じようだ. 劣悪な武器については主人公及びデフォルト仲間の装備と同等のようだ. ちなみに,自国提供時の資源増加量は上記の材質に依存する. ただし,二種類の特殊材質はともに資源増加はなく, 特にともに特殊材質である劣悪な本は完全に0である. 既成品は総じて重量は大きくなりがちで,何より性能の割に☆が大きいことから,有用な合成レシピは少ない. ギャラリー2[5]にいくつかのレシピが載っているが,比較的面白いのは  陽炎の兜+額当て(石10骨10)  杖(骨10金10)+闇の書 といったあたりだろう. 前者は珍しいHP強化型の合成例.陽炎の兜時点で十分HPがあり, わざわざ重量を上げてまで上乗せする意味はあまりないが……. 逆に実用的で面白いのが後者である. 魔力が同材質ペナルティを避けがたいことと,軽い本を作るのに必要な鍛冶Lvが大きいことから, 重量1でなかなかの魔力があり,かつ材質がゼロであるために合成効果が高いという, なかなか実用的で,優秀なレシピである. 強力な二段合成には遅れをとるものの,低積載メンバーを使う場合は選択肢に入るだろう. ・消費地エレメント 装備品合成に際して忘れてはならないパラメータに,消費地エレメント量がある. 完成品が強力になればなるほど多量の地エレメントが要求されるために, 特に高レベル時に地ケイジのサイズが実行可能なレシピに制約を与えることがある. そうでない場合でも,地エレメント量の多さは作りにくさに関わるため,低く抑えたいものである. 合成に際して必要な地エレメントの量は次の式で算出できる.  [((☆^2)×5+性能値合計)/2] ここで,性能値合計ではHPは1/4にして計算する. 重量やエレメント値は消費エレメントには影響しない. まず,低レベル時は,完成品の☆の数の影響が支配的である. すなわち,多少の性能劣化を許容して☆を減らすと,地エレメントを抑えることができる. 特に一段合成における副材料となる装備の副材料の☆は,性能最大の値より小さい値を使用すると, 僅かな性能劣化で効果的に地エレメント量を抑えることができる. 例えば,一段合成の節で参照した ローブ(綿10皮10)+腕輪(綿10皮5) と ローブ(綿10皮10)+腕輪(綿10皮1) を比較すると,魔防が358から355とわずかに減少する代わりに, 必要地エレメント量は933から771へと大きく減少する. 実用性は後者のほうが上であると言えるだろう. 高レベル時では,完成品の性能値の総和が支配的である. この場合,必要でない性能値を低く抑えるなどの工夫で多少抑えることはできるものの, やはり支配的なのはメインで伸ばしているパラメータであるため, 性能を大幅に劣化させなければ地ケイジサイズに収まらないことが多い. 重量(≒段数)を減らすことが基本であるが,重量6の反転合成と重量5の多段合成の性能の断裂は大きく, 地ケイジサイズが両者の中間となることも少なくない. そのような場合,  斧(火玉10石3)+[杖(鉄2綿1)+[斧(金3金3)+[杖(綿1綿1)+[斧(金6金3)+剣(鉄10木1)]]]] のような形でタネ側にあった☆をベースに移すことで性能を劣化させるついでに, エレメント値を付与するといった工夫を施すと,効果的である. ・オリジナルレシピ さて,消費地エレメントの節を除いて,各合成パターンの主要なレシピはギャラリー[2]にだいたい載っている. しかし,個人個人の事情に合わせたニッチなレシピは載っていないし, 重要であるものの,まだ誰も気づいていないようなレシピも残っているかもしれない. 本節では,個人の事情に合わせたオーダーメイドなレシピを, 読者が自作するための考え方について簡単に触れていく. まず,レシピの自作の際は,計算機[3]は必携である. まだ計算機[3]に触れていない読者は,ぜひ計算機で遊んでみてほしい. まずはギャラリー[2]の適当なレシピを入力し, 材料を変えたり,製作Lvを変えたりして,性能の変化を眺めてほしい. 比較的敏感なパラメータと,鈍感なパラメータとがあることに気づくと思う. 自分で考えたレシピを入力し,期待通りになるか, あるいはならないかを観察してみると面白いかもしれない. 期待通りになるならば,恐らくレシピの作り方がわかってきたということであり, そうでなければ,何かを勘違いしていた可能性が高い. それを究明すれば,合成に関する知識を深めることができる. それでは具体例を交えてレシピの自作をやってみよう. 自作レシピを作りたいと考える理由の1つが 「鍛冶・防具製作Lvが足りないので代用レシピがほしい」 ということだろう. 物防特化の次のレシピを作りたいが,防具製作Lvがやや足りない状況を考える.  [軽鎧(皮10金10)+盾(鉄10皮1)]+盾(鉄10皮1) このレシピでは,軽鎧が防具製作Lv62,盾が防具製作Lv68で作ることができる. まず考えるのは盾の副材料を綿花に変えることである. この変更で魔防が落ちるが,盾の製作可能Lvが58となり,防具製作Lv62で製作可能になる. 次にすべきは軽鎧の主材料を綿花に変更することである. これで軽鎧の必要Lvが0となり,防具製作屋でも製作可能となる. ただし,肝心の物防はかなり落ちることとなるので注意は必要だ. その次は盾を脛当てに変更することだ.脛当ての副材料を皮としても, 防具製作Lv28で製作可能となり,合計で40も製作可能Lvを落とすことに成功したことになる. 一つ重要なのは,ベースは皮の服より綿花の軽鎧のほうがよく, タネは皮の盾より金属の脛当てのほうが良いということだ. 興味深い違いであることを感じ取ってほしい. もう一つ多いパターンが「☆10素材なんて持ってない」ということだろう. 同じレシピだと,  [軽鎧(皮9綿9)+盾(鉄9皮2)]+盾(鉄9皮2) のように変形することができる. このように,もとのレシピのちょっとした変形で対応することができるものである. あるいは,本文書で合成の原理を学んだ読者であれば,一からの自作もできるだろう. ・おわりに いかがだっただろうか. かなりマニアックなところにも踏み込んだが,合成の面白さを少しでも感じていただけたなら幸いである. 本文書の内容を踏まえて改めてギャラリー[2]を眺めてみると,新しい発見があるかもしれない. ぜひギャラリーのレシピを味わい,改良点を見つけたならば報告してみてほしい. ・参考文献 [1] http://wikiwiki.jp/guruguru/?%C1%F5%C8%F7%C9%CA%B9%E7%C0%AE [2] http://wikiwiki.jp/guruguru/?%B9%E7%C0%AE%A5%AE%A5%E3%A5%E9%A5%EA%A1%BC [3] http://wikiwiki.jp/guruguru/?%C1%F5%C8%F7%C9%CA%B9%E7%C0%AE#n07db4f5 [4] http://wikiwiki.jp/guruguru/?%A5%A2%A5%A4%A5%C6%A5%E0%2F%C1%C7%BA%E0#q68a7e9d [5] https://wikiwiki.jp/guruguru/%E5%90%88%E6%88%90%E3%82%AE%E3%83%A3%E3%83%A9%E3%83%AA%E3%83%BC2#p85fbfc6 [6] https://wikiwiki.jp/guruguru/%E8%A3%BD%E4%BD%9C#p896fa0d